多様な働き方、学び方を活用して、ハートとスキルを併せもった看護職になってほしい。

岡山大学病院   看護研究・教育センター長 教授   保科英子さん(岡山大学病院前看護部長)

臨床看護師として外科病棟(主に消化器・呼吸器・心臓)を経験し、30代で岡山大学医療技術短期大学部の助手を経て、修士を取得。40代に入り、岡山大学病院の医療安全管理部に配属される。現在は各部署の看護師長と共に、看護部長として看護師の採用、職場環境・業務の改善、看護師の教育について企画・立案・展開し、約1,000名の看護師をまとめている。

看護師になったきっかけや職場でのやりがいを教えてください。

人と関わる仕事がしたくてナースを選びました。今は現場の人達、特に新採用の1年生が育って行くのを見るのは楽しいですね。また、ナースが患者さんによい看護ができるような仕組みを考えるのも楽しいです。

具体的には今どのような仕事をされているのですか?

まず看護師の採用です。現在年間120~130人を採用し、適性を見て配置、異動、補充を行います。二つ目は職場環境と業務の改善です。日々の看護業務に関する年間計画を立て、実施、改善していきます。同時に院内の各セクションが相互にうまく動くようにつないでいくのが看護部の大きな役割です。三つ目は教育。新人から3年目まで、さらに4年目以上と、さまざまな教育プログラムに従って計画、実施します。

岡山大学病院といえば、「超急性期の高度な医療」がまず思い浮かびます。そういった医療に挑戦してみたい看護師さんが多く来られるのでしょうか。

ここ数年は、さまざまな経験をもった方達の中途採用も増えていて、オペ室などは「今までやったことのない手術を極めてみたい。」ということで来られた方もいます。臓器の移植手術や小児の心臓手術、脳外科のオープンMRIなどの高度な検査・手術などは岡山大学病院ならではでしょう。
手術だけでなく、ICUでの術後管理や一般的な疾患の看護、総合患者支援センターを通じて在宅医療との連携にもチャレンジできます。そして、だれもが夢と誇りをもって看護ができるよう、平成21年からは文部科学省の事業で「EBN志向の次世代看護職教育システム開発」※1を導入しています。

※1◆EBN志向の次世代看護職教育システム開発
平成21年度文部科学省による「看護師の人材養成システムの確立」に、岡山大学病院看護部と岡山大学大学院保健学研究科の取り組みが選ばれた。フィジカルアセスメントプログラムの作成や基礎的な看護技術が練習できるスキルラボの充実。教育方法やシミュレーションの公開・見学。技術習得を支援するための大学と大学病院との人事交流、医療現場の国際化に対応できるグローバル人材の育成などを行っている。また、オンライン教育システムは、一部コンテンツを一般に公開。分かりやすく看護の情報を提供すると同時に、地域の看護師育成も担っている。

看護師のキャリアアップという点はいかがでしょうか。

「EBN志向の次世代看護職教育システム開発」に合わせて、キャリアパスを再構築しました。新人は入職から3年目までに基礎的な技術と知識を身につけ、中途採用者は経験を考慮して勉強したい研修を計画的に受けます。それを積み重ねて、どの領域の看護もできるジェネラリストになっていただきたい。そしてその先には看護管理者や看護教育者、卓越したジェネラリスト、スペシャリスト、臨床研究者といったさらに高度な段階にキャリアアップする道があります。

日々の仕事や研修。看護師さんの毎日はハードですね。

1,000人もナースがいると、いろんなタイプの人がいます。高度な医療に積極的に挑戦したい人。今はまだその時期ではないと自分のペースで学び、働く人。「ここまではできるようになっていて欲しい。」という基準はありますが、いろんな人がいていいと思います。看護は医療の勉強も大切ですが、患者さんの疾病から生じる苦痛以外の苦しみや心配をできるだけなくすのも大切な仕事です。スキルだけでもダメだし、ハートだけでもダメ。両方を併せ持っていて、自分の中でうまく統合して出力することができる、そんなナースに育って行って欲しいですね。

岡山大学病院での仕事は難しい印象がありますね。

岡山大学病院の仕事は難しいという印象があるようですが、そんなことはありません。確かに取り扱う疾患は高度で複雑多岐にわたるのかもしれませんが、看護はどこでも共通で、患者さんが疾患を抱えて療養していくという生活の視点から見ていきます。大事なのは、責任もって看護をやり遂げること。一人で抱え込まず、大勢の仲間と一緒にやっていくのです。

看護師さんの働き方も変わってきているようですね。

そうですね。特に重篤な患者さんを看ている場合、一人で抱え込んでしまうとナース自身も気が休まらないし、その結果、連携がうまくいかず、治療に支障をきたすことが考えられます。それを防ぐため、福井大学医学部附属病院の発祥のパートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を採り入れて、ペアで患者さんを看ています。ナースが互いを認め、補完し合うことで精神的、肉体的な負担が軽くなり、看護の質も向上するというメリットがあります。コミュニケーションが苦手な若いナースにも効果があり、全国の病院に広がっています。
また、ナースといえば夜勤がありますが「勤務時間・夜勤に関するステップアップ・ステップダウン表」※2を活用し、互いの働き方が見えるようにしました。夜勤をしている人も、していない人も共にやりがいをもって働ける職場を目指しています。

※2◆勤務時間・夜勤に関するステップアップ・ステップダウン表
勤務時間や夜勤の度合いに応じてステップ1から7までの働き方を設定。子育てや親の介護など、事情に合わせてステップを選び、生活が変わればまたステップを選び直す。目に見えるようにすることで、職場での自分の位置がわかり、将来も見通せ、看護師が互いの事情を思いやれるよさがある。

岡山大学病院に関心を持っている方にメッセージを。

「岡山大学病院の仕事はハード」というイメージがあるかもしれませんが、私は特別ではないと思います。逆に強い憧れや思いがあり過ぎるとうまくいかない場合もあります。選択肢は多く、自分が望む看護ができますし、働き方や個性の多様性を認めながら、いろんなナースが力を合わせてやっていく環境になっています。多くの方に来ていただきたいですね。

<看護師のやりがいって?>
患者さんから「あなたがいてくれたから一緒に頑張れた。」という言葉を聞くことかな。乗り越えられた、勇気が出た、頑張れたと患者さんに思ってもらえるようなナース。そんなナースでありたいと思います。

取材病院について

 岡山大学病院では約1,000人の個性豊かな看護職員が働いています。新人からベテランまでが相互に尊重し、育てあい、学びあう職場であることを目指しています。

【看護部理念】

質の高い看護サービスを効果的に(Effectively)、効率的に(Efficiently)、倫理的に(Ethically)、エンパワーメント(Empowerment)を通して提供する。

岡山大学病院では平成24年から岡山県看護協会のワーク・ライフ・バランス(WLB)推進事業に、国立大学病院としては全国で初めて参加し、看護職が仕事と生活とのバランスを取りながら、働き続けられる職場作りに取り組んでいます。平成25年からは効率的に患者様・ご家族に質の高い看護を提供することを目的として、パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)の導入も始めました。また、「みんなで育とう・育てよう」をスローガンに、新人看護職員(プリセプター)、エルダー、プリセプターの支援をおこなうPEPサポーターを配置し、各自の役割を示すバッジをつけて、「みんなが育つ組織」を目指しています。


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