看護部長インタビュー

チーム力で課題を乗り越え、信頼関係に支えられた 看護体制作りを

香川県立中央病院   看護部長   藤井 加芳子さん

行政職も経験され、香川県全体の医療を見て来られて、いかがでしたか。

 
 それは本当にありがたい経験で、強みになったと思います。私が監査で回っていた頃はまだまだ看護師の地位が低く、環境も待遇も十分ではありませんでした。監査に行く立場なのですが「ここがダメです。」と言うのではなく、医療施設のトップの方が何に困っているかをお聞きすることに努めました。まだ下っ端でしたが、行政としてその組織をよくするためのお手伝いが私の役割だと思っていました。

 

その頃に比べたら看護師の働く環境はかなりよくなったと言えそうですね。

 
 そうですね。病院の中で看護部の意見が大事だと評価されてきていますし、「看護師が最も患者さんの身になって、意見を出す立場にある。」という責任をとても感じます。でも、いろんな側面があって課題も多いです。私達がケアしていた時代は入院期間も長く、患者さんと深く関わることで信頼関係が作れました。私自身の看護観ですが、看護の基本は患者さんとの信頼関係。以前はそれが作りやすい環境だったけれど、今は入院期間も短くどんどん回転するようになって、看護のあり方が難しくなってきていると思います。患者さんが“権利”をとても主張され、要望はすぐにかなえてほしいと厳しく求められています。
 急性期の辛い患者さんに対して安全、安心を提供するというのが県立病院の一番の使命。ホテルのようなサービスが本当に求められていることなのか、どうか。もちろん療養生活なので、快適に過ごせることは大切だと思いますが、一般的な風潮としてやり過ぎている部分もあると思います。サービスばかりに目がいって、本当にやらなければいけない部分が手薄にならないようにしたいですね。

 

新たな課題もありつつ、最善を尽くすということですね。

 
今の若い人達が看護の喜びを感じる場面がどれだけあるのかな、というのが心配ではあります。患者さんと関わっていく中で信頼関係ができ、やっていること以上の効果が出てくるという経験を私自身いくつもしてきました。今は一瞬で患者さんの心をつかんで、安心してもらえることをやらなければならなくなりました。ベテランはそれができるのですが・・・人間関係を築くために必要な能力のレベルが上がっているのではないかと思います。時間をかければ出来てくる関係を短時間で作らなくてはならない。そこがうまくやれないと、本当のやりがいとか看護の楽しさ、素晴らしさというものは感じられないと思うのです。そういう意味では、難しい時代になりましたね。

 

平成26年の3月には病院が移転して新しくなりますが、看護師の働き方で変化はありますか?

 
 移転に伴って、新卒、既卒を問わず一気に採用人数を増やしました。それだけ看護師の背景がバラエティに富んでいますので、新任者の教育体制に平成25年からペア体制を採り入れました。先輩看護師が後輩を指導するプリセプターシップはすでに採用していて、それを強化するものです。先輩が患者さんにどんな声かけをするか、またケアの技術などをすぐ傍らで見て学ぶことができます。先輩には「なぜそのようにしたかを言葉にして伝えて欲しい。」と言っています。看護師同士、情報交換の量が増え、それが働く際の安心になっているようです。

 

近年、看護師の仕事が細分化している印象ですが。

 
 ドクターが専門化してきて、内科なら消化器内科、呼吸器内科、神経内科と細分化されていますし、病棟の編成も臓器別が主になってきています。看護師もそれに伴って専門性は高まっていくと思います。ただ、私は、看護師の基本はジェネラリストだと思うのです。例えば高齢の方というのは、肺炎にかかっても背景に脳血管疾患の既往があったり、糖尿病があったり、いろいろなものを抱えていらっしゃるから、全体を看られる看護師でないといけません。

 

ジェネラリスト。県立病院ではなおさらですね。

 
私達の合言葉は『県立病院は県民最後の砦』。入院が必要な患者さんならお受けしないといけないし、該当する病棟がいっぱいであればほかの病棟でお受けします。看護師はほかの病棟から行くわけにはいきませんから、ジェネラリストとして、基本的なものは看られる状況を作っていかないといけない、と非常に思っています。

 そして、ジェネラリスト育成の一つの方法として、「分野別ラダー」の仕組み作りを平成26年度から本格的に進めていく予定です。看護師一人ひとりがもつ経験を情報として整理し、見える形にして、だれもが活用できるようにします。看護師の採用が増えるのを機に、今までにも増して教育に力を入れたいと思っています。

県立中央病院に関心を持っている方にメッセージを。

正直に申し上げて当院は急性期病院で、職場環境としては厳しいでしょう。ほかの病院と比べても忙しいと言われますが、人の確保、業務の整理・見直しをして、少しでも超過勤務が少なくなるようにと、組織全体で取り組んでいます。特に新採用の方は学ばないといけないことも多いですし、ストレスもある中で、帰ると寝るだけということもしばらく続くと思うのですが、ありがたいことに当院には“みんなで育てよう”という気風があります。新任教育担当の看護師もいて、定期的な面談もしています。

「ペア体制の効果なのか、みんな笑顔だね。」との声も聞こえますが、苦しい時期は確かにあります。そのぶん学べるものは大きく、「うちで一人前になった看護師はどこへ行ってもやっていける。」と自負しています。みんなで支えますので、頑張ってみたい人にぜひ来ていただきたいですね。

<看護師のやりがいって?>

「あなたがいてくれるから」と言ってもらえるのは無常の喜び。患者さんはもちろん働く仲間からも信頼されるだけでなく、自らも相手の持つ力を信じること。互いの信頼があれば看護の力は最大限に発揮できると思います。

取材病院について

◆平成26年春、移転・開院。新体制、スタート!

香川県立中央病院は平成26年3月に高松市朝日町へ移転。これを機に、高度な医療を展開する超急性期病院としての機能をさらに高めるため、集中ケアへのHCUの導入や、がん患者のための緩和ケア病棟新設など、新しい取り組みが始まる。平成24年より新たに60人近い看護師を採用し、新採用者の教育を強化している。
新体制では32診療科・531床(予定)。
看護師595名・アシスタント70名(平成25年12月現在)

◆信頼でつながり、看護の質を高めるチーム力

看護部の理念の一つは安全と安心を提供すること。もう一つはチーム力を高めていい仕事をすることだ。アシスタントや学生も含めた看護チームは困難な局面も乗り越えることができる心強い存在になっている。


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